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ヒラリー・ハーン&フェスティヴァルオケ

昨日ブダペスト祝祭管弦楽団(Budapesti Fesztiválzenekar、以下BFZ)の定期演奏会に行ってきました。

Időpont:2009. május 09. szombat 19:45
Előadó(k): Budapesti Fesztiválzenekar
Közreműködik: Hilary Hahn (hegedű)
Vezényel: Fischer Iván

Műsor:
ROSSINI: A tolvaj szarka - nyitány 「どろぼうかささぎ」序曲
MOZART: A-dúr hegedűverseny, K. 219 ヴァイオリン協奏曲第5番
DVOŘÁK: 7., d-moll szimfónia, op. 70 交響曲第7番

会場は芸術宮殿(Művészetek Palotája、略してMűpa)↓
ヒラリー・ハーン&フェスティヴァルオケ_f0021504_21564784.jpg

毎回書きますが、遠い~!
この会場が出来てから外国のオケやソリストが続々とブダペストに来るようになりました。
ホール自体は悪くないんですけど、周りが殺風景だし足の便は悪いし、どうしても好きになれません。
帰りにタクシーを呼んでも、車は会場の前まで入れないので市電通り(雰囲気悪し)まで歩かないといけないし、コンサートの感動がすぐ醒めてしまいます。
もっと便利な所に作ってほしかった・・・エルジェーベト広場(ケンピンスキーやメリディアンの前)に作るって話もあったのに~~~!


ヒラリー・ハーンを聴くのは3年ぶりです。(前回の感想はこちらです)
昨日は私の精神状態が最悪で、頭の中に黄色と黒のタテジマが浮かんでは黒の部分の幅がどんどん広がり、ついには暗黒になっていました。
最初の曲「どろぼうかささぎ」を聴いている間はよかったのですが、曲が終わってまたどよ~んと落ち込み、ヒラリー・ハーンがステージに登場してもまだ引きずっていました。

モーツァルトの演奏が始まりました。オケの演奏に合わせてかすかに首を動かしながらリズムを取るヒラリー・ハーン。
いよいよヴァイオリンを構えてソロパート開始。
最初の長く伸ばす音、ああなんてきれいなんでしょう♪
オケのヴァイオリンとは全然違う音、本当に同じ楽器?と思うような音。
透明で優しくて凛とした音。
私の心の中の暗黒も一瞬にして消え去り、うっとりと聞き惚れました。
彼女の音はモーツァルトにとても合っていますね、爽やかで清々しくて本当に素晴らしかったです。

拍手にこたえてアンコール、1曲目は「魔王」。
超絶技巧のこの曲もさらっと弾きこなしていて、テクニックもすごいけど、それよりも魔王が子供に「こっちにおいで、一緒に遊ぼう」と誘いかける部分が涙が出るほど美しくて、こんな風に呼ばれたら「お父さん、助けて」と言わずにほいほい魔王について行きそうです。

2曲目はバッハの無伴奏ソナタ第3番の第3楽章。
バッハは先日バラーティ・クリシュトーフの熱演を聴いたばかりで、今はあまり他の人の演奏を聴きたくないのですが、バラーティの渾身の演奏に対し、ヒラリーは慈愛、癒しのバッハ。
どちらも甲乙つけがたい素晴らしい演奏でした。
ヒラリー・ハーンは超絶技巧の曲よりも、モーツァルトやバッハの方が彼女の美しい音に合っていると思いました。


オーケストラも相変わらずの名演でした。
このオケはドヴォルザークを得意としています。
こう書くと「チェコとハンガリーは近いし、共通点もたくさんあるんでしょう」と思われがちですが、一口に東欧と言ってもチェコやポーランド等はスラヴ系、ハンガリーは中央アジアのフン族の末裔、全く異なる文化圏に属しています。
(ハンガリーのお隣のルーマニアはラテン系です。この辺りは多民族が複雑に入り組んでいるんですよ)

ドヴォ7はチェロとコントラバスがそれぞれ8台という大編成で、一言で言えば「熱い」演奏でした。
第3楽章のフルートのトリルがもう~~~絶品ですね!
最終楽章は「どや、どや、どや!」とオケ鳴りまくり、というか指揮者がオケを鳴らしまくり? とにかく圧倒されました。

アンコールは「ドホナーニの行進曲」と指揮者が言いましたが、それ以上の詳しいことはわかりません。
日本だとホールにアンコール曲が表示されていることもあるようですが、こちらではそういうサーヴィスはないので、知らない曲だと「あれ何の曲やったんやろ?」とずっと悩むことになります。
あ、後でオケに問い合わせたらええやん! そうしようっと。
BFZのオケ事務所の方々はとても親切なので、こういう問い合わせにも面倒がらず対応してくれます。
ファンに親切なところも嬉しいですね。ああ、ほんまにええオケや~♪
(追記:問い合わせの結果、曲目はドホナーニのSzimfonikus percek=交響的瞬間とのことでした)

とにかく素晴らしい演奏を聴けて幸せな一夜でした。
ヒラリー・ハーン29歳。これからも実演に接する機会が何度もあると思います。
ああ、同じ時代に生まれてよかった♪ と思える演奏家ですね。
by ballade4fmoll | 2009-05-10 23:15 | 音楽 | Comments(14)
Commented by Melody♪ at 2009-05-11 00:58 x
こんばんは~!
ヒラリー・ハーンはまだ聞いた事ないんですよ。でもモーツァルトの5番好きです。
ドヴォルザークもいいですね~。もしかしたら遊牧民か?スラブ系か?
前世の前世の前世くらいの記憶(笑)が目覚めるかのように、ドヴォルザークの音楽って好きです。でもハンガリー舞曲聞いても、なんか好きだわぁと感じた事も付け加えておきます。
けっこういい加減ですねー。(^_^;)

ちょうど自分のブログの記事を書きかけてアップして、ちょっと書き直そうかなぁ、と思いつつ、あちらこちら徘徊して戻ったら、バラードさんからの書き込みがあって、びっくりしました!(^^)~★
Commented by おはようございます at 2009-05-11 07:34 x
緑の芝生がすばらしいですね
やっと、勝ちました、最下位、免れた
Commented by まつとも at 2009-05-11 18:30 x
バラードさん、ご無沙汰です!
外部ブログは、携帯からはコメントできないみたいなんですけど
そうなんでしょうか?・・・

は~、やっと勝ちましたね・・・・・
そやけどもうちょっと得点を各試合に配分して
勝率上げてもらえんやろか(笑)

これからまた、バラードさんの頭の中の暗黒が
輝く黄色と黒の縦縞に変わって行くことを切に願って!!

Commented by よし at 2009-05-11 20:51 x
ヒラリー・ハーンって本当に魅力的ですね。
自然体でいながら超絶もサラリと弾きこなすし衣装も変にキラキラせず素顔はフツーの女の子みたいでなおさらいいです。
さて、ドヴォ7は私の大好物です。特に3楽書のあの独特の望郷のリズム! でもチェロはともかくバス8本はすごいですね。ノイマンとチェコフィルのCDを持っていますがこれも「どや!」系ですよ。まあドヴォの中では特にシンフォニックな曲ですからね。

トラは去年の反省から浮かばぬよう沈まぬように気をつけているんですよ。今は夏場のために若手ピッチャーを試す時期です。まあ見ていてください交流戦できっと飛び出すでしょう。
Commented by たーさん at 2009-05-11 21:35 x
ヒラリーはん、おきれいな方ですよねー。
珍しく店頭でCDを買った時に卓上カレンダーをもらったんですけど、
1月がヒラリー・ハーンでした。一ヶ月間はすがすがしい気分です。
(卓上に置いとくのに、ためらわれる月もありますが・・)
同じ時代を生きている演奏家って、うれしいですよね。
実際に生で聴ける可能性もありますし・・。

日曜日に横浜あたりを通った時、やってましたねー、試合。
たくさんの人がわいわいと関内駅をおりていきました。
ふと、「あーバラードさんがもし日本にいらっしゃったら、応援にいかれるんだろうなー」と思いました・笑
Commented by ballade4fmoll at 2009-05-12 19:02
Melody♪さん
ヒラリー・ハーンはお勧めですよ、機会があれば是非聴いてみて下さいね。
私もモーツァルトの5番大好きです。5番に限らずモーツァルトのヴァイオリンコンチェルトはすべて好きです。どれも素晴らしいですよね。

>ちょうど自分のブログの記事を書きかけて
地球の反対側で同時にパソコンに向かってましたね!
チャットとか出来そうですね。(笑)
Commented by ballade4fmoll at 2009-05-12 19:02
おはようございますさん
トラはまだまだ本調子じゃないですね。まあ今のうちに落ちるとこまで落ちて、去年の逆で最後に大逆転してもらいましょう。
Commented by ballade4fmoll at 2009-05-12 19:03
まつともさん
お久しぶりです。
すみません、私自身は日本の携帯持ってないので、携帯からのコメントについてはちょっとわかりません。

トラさんの1試合で大量得点する悪い癖は昔からですね。
もっと満遍なく点を取ってほしいですよね~。
Commented by ballade4fmoll at 2009-05-12 19:03
よしさん
ヒラリー・ハーン、同じ時代に生まれてよかったと心から思える演奏家です。
「凛」という言葉がこれほどふさわしい人もいません。
本当に素晴らしかったです。

コントラバス8本がステージ正面最後列(普通は金管楽器の場所)にずらっと並んでいたんですよ、壮観でした。
厚い音で「どや、どや、どや!」で圧倒されましたよ。
ノイマン&チェコフィルは私も愛聴しています。確かにこれも「どや!」系ですね。

トラに矢野、久保田、岩田、上園が復活したらえらいことになりますよ。
今は小人を安心させといて、ウサギと亀の要領で、最後にひっくり返しましょう!
Commented by ballade4fmoll at 2009-05-12 19:03
たーさんさん
ヒラリーはんは、上のコメントにも書きましたが凛とした美しい方ですね。

>卓上に置いとくのに、ためらわれる
ちなみにそれはどなたでしょう?(笑)

野球はやっぱり球場で見るのが一番ですね。
甲子園が改装されて居酒屋シート(正式名は三ツ矢サイダーシート)が出来たらしいので、そこでトラ仲間と焼き鳥食べてビール飲んで審判に野次飛ばしながら応援したいです~!
広島の寝ころびシートも魅力的ですね。
Commented by よし at 2009-05-12 20:50 x
速報です。
金本さまサヨナラHRでした。
しんどかったけどこの調子です。

Commented by がんもどき at 2009-05-12 21:30 x
 最近クラシックコンサート行ってねーなー…(^^;
 全然関係ありませんが…忌野清志郎さんが亡くなられ、少しショックを受けております。
 RCサクセションも、一度はライヴで観ておくべきだったなー…
 合掌…
Commented by ballade4fmoll at 2009-05-13 02:46
よしさん
すごいですね~、さすがアニキ!
下さん完封!
矢野~、早く帰ってきて~~~!
Commented by ballade4fmoll at 2009-05-13 02:56
がんもどきさん
忌野清志郎さんは我々が高校生の頃からものすごく人気がありましたね。
まだまだお若いのに亡くなられて残念です。ご冥福をお祈りします。

音楽はジャンルを問わず、やはり生で聴くのが一番。
「そのうち」と思っていると聴けないまま終わることもあるし、できるだけ機会を逃さないようにしたいですね。


ハンガリー人の夫とブダペストで暮らす関西人のひとりごと


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