テツラフ&ヤルヴィ&フランクフルト放送響

5月22日に聴いたコンサートの感想です。

2009. május 22. péntek 19:30
Müpa - Bartók Béla Nemzeti Hangversenyterem

A Frankfurti Rádió Szimfonikus Zenekara フランクフルト放送交響楽団(hr交響楽団)
Közreműködik: Christian Tetzlaff (hegedű) ヴァイオリン:クリスティアン・テツラフ
Vezényel: Paavo Järvi 指揮:パーヴォ・ヤルヴィ

Haydn: C-dúr („A medve”) szimfónia, Hob. I:82 ハイドン:交響曲「熊」
Bartók: Hegedűverseny バルトーク:ヴァイオリン協奏曲
Brahms: I. (c-moll) szimfónia, op. 68 ブラームス:交響曲第1番

会場前にはドイツとハンガリーの国旗が並んでいました。
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最初にお断りしておきますが、私はあまりオケのことはわからないのでテツラフ中心の感想になります。

f0021504_359286.jpgクリスティアン・テツラフ、1966年ハンブルグ生まれ。
43歳には見えないなあ~。学生でも通りそうです。
中肉中背で地味な感じで、村役場で黒い腕カバーをつけて算盤はじいてそうな雰囲気です。(どんなんや?)
細かい作業が大好きで、経理上のミスは一円たりとも見逃さないような感じ。(だからどんなんや?)

でも、一度ヴァイオリンを手にするとすごいんです、別人になります。

初めてテツラフを聴いたのはもう10年以上前になると思います。
ブダペスト祝祭オケの定期演奏会でシベリウスを聴きました。
当時、オケのメンバーだったヴァイオリニストの友人から「聴きに来て」とチケットをもらって行った演奏会。
プログラムに記された「Tetzlaff」という名前は初めて見るものでした。
「若いお兄ちゃんやなあ、ちゃんと弾けるのかなあ」と思っていたら・・・圧倒されました!
コンサートの後、友人に「ちょっと~、誰よあれ、すごいじゃないの!」と興奮して言ったのを覚えています。

さて、そのテツラフのバルトーク。この曲はテツラフにぴったり、絶対に素晴らしい演奏を聴かせてくれると期待していました。
ステージに登場したテツラフ、前奏のハープの和音に耳を傾けながら楽器を構え・・・

ちょっと~、なんちゅう音出すの!



想像以上の豊かな音!
よく知られていることですが、テツラフはペーター・グライナー製作のヴァイオリンを使っています。
「ストラディヴァリやグァルネリ等、ヴァイオリンは製作後300年以上経たないと良い音が出ない」とよく言われますが、テツラフは現在のヴァイオリン製作者の手になる新しい楽器でとてつもない素晴らしい音を出します。
おまけに、聞くところによるとカーボン弓使ってるそうですよ、奥さん!(誰に呼びかけてるん?)
弘法筆を選ばずとはこのことですね。

第1楽章の中間部、最初のメロディーと同じ旋律を高音で弾く箇所なんて凄過ぎて、また息を止めて呼吸困難になりそうでした。
この曲は高度なテクニックが要求される曲ですが、全く難曲と感じさせません。
テクニック云々を超えた先に広がる美しさ、情熱、狂気、その他もろもろ・・・バルトークのヴァイオリンコンチェルトを弾いてテツラフの右に出る人がいるでしょうか?
もう他の人のバルトークは聴けません。凄過ぎますテツラフ!!

オケのサイトにリハーサル中の写真が載っていたので拝借します。
f0021504_4593287.jpg


アンコールはなんとバッハのソナタ第3番第3楽章ラルゴでした。ヒラリー・ハーンと同じやん!(こちらをご覧下さい)
奇しくも1ヶ月の間に3人のヴァイオリニストのバッハを聴くことになりました。
渾身のバラーティ、慈愛のハーン、そしてテツラフ。
テツラフは速めのテンポでヴァイオリンを存分に鳴らし、スケールの大きなバッハでした。

続いて第4楽章、こちらはとにかく一糸の乱れもないテクニックに圧倒されました。
なんかもう、すごいものを聴いてしまって、休憩時間になってもなかなか席を立てませんでした。
ロビーに出ると若者が声高に「すごかった!」と話しています。どこかで見たことがあると思ったら若きヴァイオリニストのバンダ・アーダームでした。
ロビーの売り場でテツラフのバッハ無伴奏のCDを買ったようです。
バンダ君、テツラフに負けない素晴らしい演奏をいつか聴かせて下さいね♪


休憩後のブラームスの交響曲第1番は思い出深い曲です。
高校時代、音楽の先生の選んだ交響曲をスコアを見ながら聴き比べるという、とても楽しい授業がありました。
(ハイドンの告別、ベートーヴェンの1番と田園、ベルリオーズの幻想、ブラームスの1番・・・これだけは覚えていますが他にもあったと思います。がんもどきさ~ん、覚えてる~?)

この日もブラームスを聴きながら高校時代のことを思い出していました。
体は確かにコンサート会場にいるのに、なんだか音楽室に座っているような錯覚に陥りました。
先生が「次はベームとウィーンフィルです」と仰る声が聞こえるようです。
実際にはもうあの音楽室は存在しません。高校の校舎が建替えられたそうです。
新校舎を私はまだ見ていませんが、思い出の詰まった建物がなくなるのは寂しいことですね。

そういえば私の通った中学校は統合されて学校名が変わり、校舎も建替えられました。
一昨年一時帰国した時に同級生と新しくなった学校を見に行ったのですが・・・寂しかったです。
大学も移転して、私が通った校舎は今でも残っているものの学校周辺の雰囲気はすっかり変わったようです。
ああ、寂しいなあ・・・。


このオケの特徴なのか、はたまた座席の関係か、金管の音がとてもよく響いて活きのいいブラームスでした。
アンコール(ハンガリー舞曲6番と5番&チャイコのワルツ)が終わったら10時半を過ぎていましたが、そんなに時間が経ったとは思えない充実したコンサートでした。
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by ballade4fmoll | 2009-05-24 04:59 | 音楽 | Comments(8)
Commented by とらねこ at 2009-05-24 07:58 x
テツラフ、素晴らしかったのですね!しかも新作を使っているのですか~~~?知らなかったです。
そういう方がどんどん現れてどんどん新しい楽器を弾いてくださると良いですね。古い高級な楽器じゃないとダメみたいな風習がなくなると良いなあ。確かに古い楽器ならではの音はあるのでしょうが、新しいものだってしっかり作られていたら良く鳴るのですもの。
それにカーボン弓・・・・。私も買おうかな、、、ってちゃうやろ。
Commented by ballade4fmoll at 2009-05-24 16:03
とらねこさん
ヴァイオリンがとてもよく鳴っていて素晴らしい演奏でした。
新作とカーボン弓であんな音が出せるなんて凄過ぎますよ、テツラフ!
確かにストラディヴァりなどの古い楽器は素晴らしいですが、当時と今では演奏の場が全然違うし、新作は現在の大きなコンサートホールで演奏することを想定して作られているからあれだけ鳴るのかな、などと思いました。どうなんでしょう?
余談ですが、ペーター・グライナーさんって年配の方だと思っていたらまだまだお若い方でびっくりしました。
Commented by がんもどき at 2009-05-24 17:12 x
 ウーン… 高校時代のハナシは、ハイドンとブラ1ぐらいしか覚えてないなー…(^^; ストラヴィンスキー「春の祭典」もやらんかったっけ??

 天才といわれる人たちは、“道具”を選びませんね。
 この前関西ローカル番組でやってましたが、ハンマーひとつでスチール叩きだし⇒0~700系新幹線先頭車両…あの流線型を作った職人さんを取材しておりました。
 その“名工”さんが、ナンとスチールで見事なチェロを製作されておりました。
 米国の演奏家からも『900万円で売ってくれ~!』と引き合いがあったにも拘わらず、ご本人さんは『まだまだ』自身の仕事に満足がいかずお断りになったそうです。
 その人は、今ヴァイオリンを製作中だそうです。

 この名工さんにワタシもお願いしたいっす。
 『不振のタイガースのスラッガー…“鉄人”(?)作ってぇ~なぁ~! ブラゼルはあかんでぇ~…』
Commented by よし at 2009-05-24 18:32 x
テツラフのベートーベン持っていいるのでじっくり聴いてみます。そういえばハーンも結構新しいヴァイオリンを使っているらしいですね。要するに腕なんですね。
今日は雨で中止だけど北摂ではたいしたこと無かったです。点を取っていたら続けたでしょうね。
Commented by ballade4fmoll at 2009-05-25 03:22
がんもどきさん
「春祭」もやりましたか? う~ん、覚えてないなあ。(アルツハイマー予備軍です)
本文に書いた曲は授業に影響されてLP買ったので間違いないですよ。でもそれ以外に何をやったか覚えてません。

ハンマー一つで流線型の職人さんすごいですね!
引き合いが来ているのにも関わらず、御自身が満足できないから断るなんてプロですね~!
スチール製のチェロやヴァイオリンの音色を聴いてみたいです。

ブラゼルいらんよねえ。それより鳴尾浜で活きのいい若手を育ててほしいです。
Commented by ballade4fmoll at 2009-05-25 03:27
よしさん
テツラフはメリハリの利いた気持ちのいい演奏をします。バルトークは彼にぴったりです。
ベートーヴェンはどんな演奏になるのか興味ありますね~、私もCD探してみます。
楽器そのものの性能もあるでしょうが、結局は弾き手の腕や楽器との相性ですよね。
何億もする楽器を使っていてもあまりちゃんと鳴らせていない人もいるようですし・・・(以下略)

福原いいピッチングやったのになあ~。月曜日の先発は誰でしょう?
Commented by petit viola at 2009-05-28 18:06 x
>おまけに、聞くところによるとカーボン弓使ってるそうですよ、奥さん!

は、は~い!(奥さん!に反応しました)
カーボン弓って軽くて操作しやすいんでしょうか?長い年月使用してもあまり、変形等しなくて丈夫だとは聞いた事はあるのですが、実はあまり詳しくありません。

ブランド(?)に拘らず、良い楽器を自分の目と耳で選ぶのは、ご自分の技術と音楽に相当な自信がないと出来ないと思います。
ストラディやグァルネリを弾いてるってだけで、聴衆を説得する一つの材料になりますもんね。それを選ばないってすごい・・・。

テツラフさんはTVでブラームスのコンチェルトを聴いたのですが、テクニックに圧倒されました。生だったらどんなんだろう!って思います。
Commented by ballade4fmoll at 2009-05-29 02:22
petit violaさん
聞くところによるとカーボン弓はお安くて丈夫らしいですわよ、奥様っ!
主婦には嬉しい存在ですわね♪

・・・ってそういう問題ではなくて(笑)

>ブランド(?)に拘らず、良い楽器を自分の目と耳で選ぶのは、ご自分の技術と音楽に相当な自信がないと出来ないと思います。

全く同意です!
ヴァイオリニストって「ストラディヴァリ弾いてなんぼ」みたいなところがありませんか?
大抵は才能を認められて貸与されるわけですが、中には自分で購入される方もいるようですし。
そんな中で敢えて新作にカーボン弓で演奏するテツラフってすごいです。本当に自分の音楽に自信があるからできることですね。

機会があれば是非生演奏を聴いてみて下さいね♪
テクニックもすごいし音が豊かですよ~~~♪


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