ツィメルマン@ウィーン楽友協会

行ってきました~!

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Donnerstag, 29. April 2010
19:30 - Großer Saal

Interpreten:
Krystian Zimerman, Klavier

Programm:
Frédéric Chopin
Nocturne für Klavier Fis - Dur, op. 15/2
Sonate für Klavier Nr. 2 b - Moll, op. 35
Scherzo für Klavier b - Moll, op. 31
-------- Pause --------

Frédéric Chopin
Sonate für Klavier Nr. 3 h - Moll, op. 58
Barcarolle für Klavier Fis - Dur, op. 60

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今回は2階正面前から2列目ど真ん中、とてもいい席を取ることが出来ました。
前回はかぶりつき席でミーハー心は満たされましたが、ピアノの生の音しか聴こえず音響的にはかなり不満だったので、今回この席が取れて本当に嬉しかったです。

上の写真は開場直後に撮ったものですが、何か気になりませんか?

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この二人の男性が、ピアノの両脇にボディガードならぬピアノガードとして、ツィメルマンが登場する直前までずっと立っていました。
おまけにピアノの蓋はツィメルマンが出てくる直前まで閉めたまま。
前半が終わって休憩に入るや否やこのピアノガードのお2人が出てきてささっと蓋を閉め、またピアノの両サイドで仁王立ち。
ステージ上の席の人が勝手に触らないようにとの配慮なのでしょうか?
それとも何か絶対に人に見せたくない工夫がこのピアノに秘められているのでしょうか?

ツィメルマン登場。
実に美しい音色で流麗なノクターンが演奏されました。
この曲(とスケ2)は初来日の時に聴いたことを思い出し、あの時空席の目立った厚生年金会館中ホールで弾いていたあの紅顔の美青年が今はマイピアノを持ち歩いているのねえ・・・などと一人感慨に耽っていました。
しかし、初来日のプログラムにあったショパンのワルツ集を【ツィメルマン独自の配列で】弾いていたことも思い出し、「この人の“こだわり"はあの頃からずっと続いているんだなあ」と思ってみたり。

2曲目のピアノソナタ第2番、第1楽章のテンポの速いこと!
それで最後まで弾き通すんですかツィメ様? メチャメチャ早いんですけど~。
【爆演】とはこの演奏のためにある言葉。まさに爆発のすごい迫力の第1楽章が終わった途端に会場の一部から拍手が!
ああ~、なんで拍手するん!! ここからどうやって第2楽章に入るつもりやったかわからへんやん!

楽器を演奏しない方にはわからないかもしれませんが、楽章と楽章の間も曲の大切な一部なんですよ。
前の楽章をどのように弾き終わって、どういうタイミングで次の楽章に入るか、演奏者はちゃんと考えているんです。
それを拍手で中断されるとせっかく作り上げた音楽が壊れてしまうんです。

拍手が鳴り止んでから弾き始めた第2楽章。ちょっと出鼻を挫かれて、第1楽章ほどの集中力の感じられない演奏でしたがそこはツィメルマン。
すぐに調子を取り戻して・・・・・・うわ~、誰かの携帯が鳴ってる~~!
信じられないことですが、なんと第2楽章のdurの部分で2度、そして第3楽章の中間部で1度携帯が鳴ったんです。
(それぞれ別の人です)
もうね、会場には携帯の電波が届かないようにしてほしい。
あるいは入り口で荷物検査してクロークで携帯を預かってほしい。
楽友協会ではコンサート開始直前に携帯の電源を切るようにアナウンスがあるのにもかかわらず、なぜこんなことが起こるんでしょう?

一つ一つの曲について感じたことを書き始めたら何日あっても書ききれないと思うので、簡単にまとめますが、一言で言うと

これだけ細やかに一つ一つの音に全神経を研ぎ澄ませて音楽を作り上げることが可能なのか!

ソナタ2曲の壮大さ、それと同時に繊細さ。バルカローレの艶やかさ。
こんな緻密な、ここまで完成された至高のショパン!
この完璧さを求めるためにはむやみやたらにレパートリーを広げるわけにはいかないでしょう。
「もっと他の曲も弾いてほしい」とこの人に願うのは失礼かもしれない、と思いました。

プログラム終了後は盛大な拍手。
ツィメルマンは何度も客席に向かってお辞儀をし、ピアノに向かって手を広げ、「今日の演奏はこのピアノのお陰」とでも言わんばかりでした。

楽屋の前で待つ人が何人かいましたが、係の人が「サインはしません、誰とも会いません、お帰り下さい」と言っていたので「いつかブダペストに来て下さい」と直訴することは出来ませんでした。
やはり2楽章の前で拍手が入ったり携帯が鳴ったから怒っていたのでしょうか?
でも客席から花束を渡した女性の手の甲にキスしたり、ご機嫌麗しそうだったのに。
演奏家は演奏をするもので、ファンとの交流は必要がないとお考えなのでしょうか?

リスト音楽院の楽屋はファンが自由に訪ねられるようになっているし、プロの演奏家の友達は声を揃えて「聴衆が声をかけてくれるのは嬉しいし励みになる」と言うので、【感動したらそれを演奏家に伝えるのが礼儀】と思っていたのですが、そうとは限らないようです。

あ、それと今回の演奏会とは全然関係のないことですが、私の前の席の人が楽譜持参で、演奏中に楽譜を見ていました。
どうしても視野に入るのですが、私の持っている楽譜とは違う版で、例えば今弾いているところが私の楽譜では右ページの上段なのに、その人の楽譜では左ページの下段だったりして、なんだか変な感じでした。
楽譜って(私の場合は)全体的なイメージで捉えているものなんですね。

今回ウィーンで久々に観光しました。次回はウィーン旅日記の予定です。
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by ballade4fmoll | 2010-05-01 04:18 | 音楽、観劇 | Comments(14)
Commented by マーシャ at 2010-05-01 10:28 x
読み進むうち、ドキドキしてきました^^;
至高のショパン!でしたか・・ホワ~ン
あと一ヶ月、どのようにして過ごしましょう。

楽章間、全く同感です。
私もそこは結構こだわって聴きます。

>拍手にケイタイ
ショパンイヤーということで、気合を入れて聴きたい、
という方々ではないのかもしれませんね。
でも、とっても残念ですね・・

楽譜もよくわかります~
3ページ目の頭はここから、という風にインプットされていますね。
違う版だと弾きにくかったりしますよね。

それにしても、楽しみが大きく膨らみました~♪
Commented by Bebe at 2010-05-01 10:44 x
はじめまして。
いつも楽しませてもらってます。
ツィメ様、さすがですね。
私も今月行ってきます!ワクワクしてきました。

あ、一番はやっぱりキー様です毎日浴びて(聴いて)ます。
マイク揺らすキー様にゾッコンです!!
Commented by ちいこ at 2010-05-01 14:55 x
ウィーン楽友協会でツィメ様とはうらやましい~。
詳細なリポートとても参考になりました。
このプログラムで日本に来て下さるんですよね。
楽しみがより大きくなりました。
それにしても、携帯は本当にがっかりしますよね。
音楽の殿堂みたいな楽友協会で聴かれる方の中にも
そんな方がたくさんいらっしゃるということに
びっくりしました。
Commented by よし at 2010-05-01 16:53 x
ウィーン楽友協会で聴けるとは最高でしたね。
観客のマナーが日本並みに(笑)悪いのにビックリです。

昨日は平野の美技連発に一票です!
Commented by ballade4fmoll at 2010-05-01 23:40
マーシャさん
もう本当に何と言っていいのか、私の語彙では表現出来ない素晴らしい演奏でした。
ここまで突き詰めて曲作りをするなら「もっと他の曲も弾いてほしい」なんて軽々しく口にしてはいけないと思うほど、練りに練ったショパンでしたよ。

拍手と携帯は「なんでやの~?」と一人一人に詰め寄りたい気分でした。

>ショパンイヤーということで、気合を入れて聴きたい
>という方々ではないのかもしれませんね。
逆に「ショパンイヤーだから有名なピアニストを聴いてみよう」と普段あまり演奏会に行かない人が多かったのかもしれません。
とにかくあれだけの演奏に対して聴衆の質はお粗末だったと思います。

日本公演楽しみですね。またお話聞かせて下さい。
Commented by ballade4fmoll at 2010-05-01 23:40
Bebeさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
ツィメルマンの演奏会楽しんで来て下さいね。
全身全霊で奏でるショパンを堪能して下さい。

>マイク揺らすキー様にゾッコンです!!
おおっ! これをキーちゃんにお知らせして「よっしゃ、もっとマイク揺らしたるでぇ!」とさらに迫力ある朗読をしていただきたいですね。(笑)
これからもどうぞよろしくお願いします。
Commented by ballade4fmoll at 2010-05-01 23:40
ちいこさん at 2010-05-01 14:55 x
>音楽の殿堂みたいな楽友協会で聴かれる方の中にも
>そんな方がたくさんいらっしゃるということに
>びっくりしました。
そうなんですよ!
なんだか悪夢を見ているような気分で、「私は本当に今楽友協会でツィメルマンを聴いているの? どこか別の場所にいるの?」と自問自答していました。
今まで何度かウィーンの演奏会に足を運びましたが、「さすがウィーン」と聴衆の質の高さに感心することばかりだったので、今回は本当に驚きました。
日本公演楽しみですね~♪
Commented by ballade4fmoll at 2010-05-01 23:41
よしさん
会場は最高、音楽も音響も最高、でも一部の聴衆が・・・(泣)
ブダペストでもありえませんよ、一つの演奏会で3度も携帯が鳴るなんて!
おまけにあの会場は音響が良くて携帯の音も響き渡るんです。

今日もウサギ退治成功! 
西村君の度胸のいいピッチングに100票はあげたいです♪
Commented by Melody at 2010-05-02 00:31 x
直訴できなかったのは、残念でした。(>_<)
それとピアノガード・・・そういう事ってあるんですねー。
今まで見たことないです。
コンサートまで後1ヶ月・・・ドキドキしてきました。
とりあえず、明日から、ラフォルジュルネ。
ショパンいっぱい聞いてきます。
Commented by ballade4fmoll at 2010-05-02 00:50
Melodyさん
あれだけの熱演をされた後には誰とも会いたくない、そっとしておいてくれ、と思われるお気持ちもわかるので、直訴出来なくても仕方ありません。
ああ、願わくばお疲れのせいだけでありますように。
「今日の聴衆は最低や! 何べんも携帯鳴らしやがって!」とお怒りだったらどうしようと気になって気になって。
ラフォルジュルネいいですね~、ショパンに浸るんですね♪
Commented by とらねこ at 2010-05-02 06:17 x
ああ、あの時の感動がよみがえって来ました。
ソナタでのあのはりつめた緊張感の空気、もう一度味わいたいです。
ピアノガード、当地ではいらっしゃいませんでした。
最近何かあったのでしょうか・・・。気になるところですね。
Commented by ballade4fmoll at 2010-05-03 00:58
とらねこさん
今までにツィメルマン演奏のソナタは何度も聴く機会があったのですが、先日の演奏は桁違いでした。
よくぞここまで・・・と思うほどの完成度。本当に素晴らしかったです。
特にb-mollソナタの最終楽章は分散和音じゃなく音が塊になって迫ってくるようでものすごい緊張感でした。
ピアノガードはいつからいるんでしょうね。一体何があったんでしょう?
蓋を閉めたり開けたりするのも奇妙な光景でした。
Commented by petit viola at 2010-05-03 12:59 x
はぁ・・・・バラードさんをして、「桁違いの演奏、よくぞここまで・・・と思う程の完成度」と言わしめるなんて、本当に素晴らしい音楽だったのでしょうね~。
なのに、なのに、学友協会で携帯音だなんて!
楽章間の拍手もキツすぎますね。余裕の笑顔をちらっと投げかける演奏者もたまにはいますが、ツィメ様の様に命を削って音楽を作り上げる様な方には、本当に酸素チューブを抜かれた様な衝撃だったんじゃないでしょうか(また訳のわからん喩えを使ってしまいました)。
あぁ、おいたわしや~(涙)。
日本の聴衆は海外に比べてお行儀良くて、評判は上々ですが、ショパンイヤーというのがミソですね。2006年の芸文センターを思い出しませんか?
演奏があまりに素晴らしいだけに、本当になんとかして欲しいです!
Commented by ballade4fmoll at 2010-05-04 02:29
petit violaさん
ツィメ様はウィーンでよくショパンの2番&3番を演奏しているので、正直「またか」と思ったのですが(ほんまにファンなん?)、今回の演奏はぶっ飛びました!
いや~、本当にすごかったです! 「曲を仕上げる」とはここまで高いレベルを指すのか、と体が震えました。
それにしても携帯と拍手はもう泣きたかったです。
芸文のブラボーおやじが来てるんちゃうやろな? と辺りを見回したほどです。
ピアノガードを用意したツィメ様、次は「携帯取り上げ隊」を出動させるのでは?(笑)
いや、笑い事じゃなくて本当にそれぐらいしてほしいですし、ツィメ様なら出来ます!(ほんまにファンなん?)
隊長はいつ聴きに行かれるのですか? 


ハンガリー人の夫とブダペストで暮らす関西人のひとりごと


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