指揮とメジャー

右肩の不調でコンサートのキャンセルが続いたヴェンゲロフのファンサイトに「肩の調子が良くなったので近く演奏活動を再開する」と嬉しいニュースが3月に掲載され、あの素晴らしいヴァイオリンをいつ聴けるだろうと楽しみにしていました。

ところが・・・

   「当面は指揮活動に専念したい」

本人のメッセージ
指揮活動? はあ? (゚Д゚)←こんな顔になりましたよ。

ソリストが指揮に手を出し、やがて「指揮活動に専念したい」とソロ活動を止めてしまう例はこれまでにもありました。
アシュケナージにしろプレトニョフにしろ、ピアニストとして敬愛していた人が「もうピアノは弾きません、指揮に専念します」と宣言した時は悲しさや寂しさを通り越して胸にぽっかり穴が開いたようでした。
今でもアシュケナージ&ショルティのベートーヴェンP協やプレトニョフのプロコ戦争ソナタは愛聴盤だし、これを超える演奏にはなかなか出会えないと思います。

ソリストとして超一流と呼ばれた人が指揮者に転向してソリスト時代と同じくらいのレベルに達するものなのでしょうか?
ロストロポーヴィチやバレンボイムを除けば、そういう例は非常に少ないと思います。
どうして皆指揮をやりたがるのでしょう?

友人のヴァイオリニストは、「ヴェンゲロフはヴァイオリンで出来ることはやりつくしたと思っているんじゃないかな」と言います。
確かに彼ほどヴァイオリンを自由自在に操ってあれだけ膨大なレパートリーをこなせば「もっと他のこともしてみたい」と思うのかもしれません。
でもなあ・・・はっきり言ってヴェンゲロフのヴァイオリンは聴きたいけど、彼の指揮を聴きたいと思うかなあ?
弾き振りなら聴いてみたいけど、それはあくまで彼のヴァイオリンが目的で、指揮ではありません。
現代最高のヴァイオリニストと呼ばれている人が、指揮でもヴァイオリンと同様、あるいはそれ以上の素晴らしい音楽を聞かせてくれるのでしょうか。

これを書きながら、日本のプロ野球選手のメジャー志向に通じるものがあるなあと思いました。
日本最高のピッチャー、日本最高のバッターでは飽き足らず、メジャーを目指す各球団の主力選手。
世界一の舞台で勝負したい気持ちはよくわかりますが、メジャーで「そこそこの選手」になって満足できるのかなあ?
どうせならメジャーを代表する選手になる覚悟で行って欲しいし、行ったからにはすぐ帰ってこないでほしい。
野茂さんのように、ヴェネズエラに行っても日本には帰らない、という気概を見せてほしいです。
(野茂さんは4月5日付でメジャーに復帰、現在カンザスシティ・ロイヤルズの一員です)
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by ballade4fmoll | 2008-04-07 02:02 | 音楽、観劇 | Comments(16)
Commented by チョロ at 2008-04-07 05:42 x
俳優さんが映画を撮りたがるのも類似現象かなって思いました。
俳優が映画監督になった例ってあんまりいいのがないですよね。
アングラードは俳優としては大好きだけど、監督としては?だし。
映画監督が映画に出演するの北野武みたいに主演・監督でも
クストリッツァみたいに全く他の人の映画に出る場合でも
かなり光ってると思うのですが。

アシュケナージ、本当に残念です。
彼のコンサートには何回も足を運びました。
ベートーベンのソナタ、今でも忘れられません。

Commented by とらねこ at 2008-04-07 08:03 x
・・・・・・・・・・・・・
ヴェンゲロフ君、あなたまで・・・・・。

残念です。

この有名なクレンペラーの逸話を。

指揮の道に足を踏み入れた、かのフィッシャーディースカウがデビュー演奏会にクレンペラーを招待した。しかし、それに対してクレンペラーは「申し訳ないが、その日はショルティが歌う≪冬の旅≫の演奏会があるから」と言って断った。
Commented by kimukimu at 2008-04-07 12:38 x
指揮もおもしろいんだね、ぜんぜん、わからないけど
明日、甲子園で、金本、2000本安打達成かな(笑)
Commented by ballade4fmoll at 2008-04-07 19:35
チョロさん
確かに、俳優さんも映画を撮りたがりますね~。
私もあまりいい作品は思いつきません。
自分が演技、演奏するのと人を率いるのは全然別の才能が必要だと思います。

アシュケナージは私も昔大好きで、来日の度にコンサートに行きました。
指揮を始めてからは、ピアノリサイタルで不満の残ることが多く、ピアノに集中してくれないかな~と思ったのですが、指揮を選んだのは本当に残念!
CDで過去の演奏を楽しむしかないですね。(泣)
Commented by ballade4fmoll at 2008-04-07 19:39
とらねこさん
もうねえ、ほんまに何と言っていいのやら。
カヴァコスでショックを受けていたらヴェンゲロフまでが!!
ソリストの転進を指揮者達はどうお考えなんでしょうね。
あ~、ムーティ様、メータ様、小澤様、ガツンと言ってやって下さい!
Commented by ballade4fmoll at 2008-04-07 19:41
kimukimuさん
「指揮も」じゃなくて「指揮は」面白いんだと思いますよ。
練習の厳しさに耐えかねて「ええなあ監督は。何もせんと座って試合見て、インタヴューで『そらそうよ』て言うてるだけやん」と思う選手もいるかも。
人を動かすのは本当に難しいのにね~。
Commented by Melody♪ at 2008-04-08 00:10 x
たぶん、指揮は相当面白いのだと思います。
週末にカラヤンのスペシャル番組見ていて、「指揮」=「演出」でもあったんだなぁ・・・と思いました。まぁ彼は特別でしょうけれど。
ピアノやヴァイオリンの曲だけでなく、交響曲を指揮する事で、
もっともっと作曲家に近づける事もあるのかもしれませんよね。
でも、バレンボイムはすごいけれど、ロストロさんは、演奏曲目
けっこうかたよりありましたよね。バーンスタインはやっぱり
ピアノ&指揮で、半端じゃないなぁと思うけれど、じゃあ、彼が
もしもショパンを弾いたらどうなんだろうかと・・・。興味はあるけれどね。
オーボエ奏者の宮本文昭さんが、奏者として引退した後、小澤さんに
指揮をならったら、自由に振っているのかと思っていたけれど、
ものすごく計算されていて、奏者の視線にどこまで振っている手を
見せるか、なんてことを考えていたと知って驚いたと、エッセイに
書いていました。一奏者として、指揮をしてみてそういう事が
分かり始めると、ものすごく楽しいのかもしれないですね。
でも、やっぱり聴衆としては、寂しいですよね・・・。
Commented by ballade4fmoll at 2008-04-08 02:33
Melody♪さん
カラヤンのスペシャル番組面白そうですね。
彼は指揮者であり演出家であり、才能ある若手を世に広めるプロモーターであり、すごい人でしたね。
確かにソリストは自分の楽器のために作曲された曲以外はほとんど演奏する機会がないし、指揮者になってもっと多くの曲に触れたいと思うのは理解できます。
ロストロさん、アルゲリッチとのコンチェルトはすごく良かったです。やはりコンチェルト合わせるのは上手いですね。
あと、ブダペストで聴いたのですがハイドンのコンチェルトの弾き振りも素晴らしかったです。
バーンスタインのショパン・・・う~ん、想像出来ない!(笑)

>奏者の視線にどこまで振っている手を見せるか

へえ~、驚きました。
膨大なスコアを暗譜して、そこまで細かい計算があるんですね。
指揮者の頭の中は一体どうなっているんでしょう。

指揮をしたいという気持ちはよく理解できるのですが、指揮を始めるとソロ活動が疎かになるし、明らかにソロ演奏のレベルも落ちるのが悲しいです。
ヴェンゲロフのヴァイオリンは、いつか演奏を再開することがあっても、おそらく今までとは変わってしまうんだろうなあ・・・。
Commented by petit viola at 2008-04-08 20:00 x
え”-っ!!ショック~。ついに生ヴェンちゃん聴かずに終わるのかしら~~~(涙)。つくづく去年のシンフォニーが悔やまれます~。
中々すっきりしない肩も、決心の材料になっちゃたのかと思いましたが、メッセージを読む限りそうでもないみたいですね。
聴衆のためではなく、自分の為に、指揮をする(別の面から音楽にアプローチをする)、という事が必要なんでしょうか。小さい頃からずっと走り続けてこられて、今、ご自身でそういうステージに来ていると感じておられるのかも・・・。
でも演奏を再開しても、今までとは変わってしまうかもなんて、悲しい~。

Commented by ballade4fmoll at 2008-04-09 03:55
petit violaさん
やっぱり去年の夏に兜かぶってシンフォニーホールに討ち入りすべきでしたね、隊長!(おいおい)
生ヴェンちゃんは本当にすごいんですよ。かれこれ10年近く前に聴いたチャイコン、今でも耳に残っています。
ああ、どうしてヴァイオリン弾いてくれないの~~!(号泣)

今はとにかくテツラフ様が指揮に手を出さないことを祈るのみです。
ツィメ様もキーちゃんもずっとピアノ聴かせて下さいね~!
Commented by かぶだよし at 2008-04-11 15:15 x
そうなんですね〜!
指揮者って、そんなに面白いんですね。
昔、カラヤンが作った音楽映画?のようなプロモーションビデオを見ました。一音一音が心動かされる構成に心底驚き、感動したのを思い出しました。
彼のまったりとしたバッハのブランデンブルグも大好きでした〜♪
ヴェンゲロフ様は、案外指揮棒を持って振るのも肩に悪い事を知っているのでしょうか?心配でゅす。
Commented by ballade4fmoll at 2008-04-12 19:11
かぶだよしさん
ソロだと自分の楽器でしか表現出来ないけど、オーケストラだと表現の幅が広がって面白いんでしょうね。
でもヴェンゲロフのヴァイオリンが聴けなくなるのは本当に残念です。
指揮もいいけどヴァイオリンと両立させてほしいなあ~。
カラヤンのブランデンブルグいいですね~♪
でも5番は誰の演奏を聴いても「母さんお肩を」にしか聞こえませんお!
Commented by jupiter at 2008-04-16 13:57 x
ソリストから指揮者、結構ありますよね。指揮者って立てる限り可能というか・・・座ってる人もいますが、朝比奈さんがシカゴ交響楽団で指揮された時、椅子が要りますかと聞かれてキッパリ”Standing is my profession!”と断られたのがかっこよかった!
話戻しますと、長い間できる仕事なんですよね~(汗)
でも指揮者は指揮者。ソリストが指揮者になった時、ソリストとして成功した人は集客力も話題性も高いけど本当に成功してる人は極少ないと思います。

でも、楽器の性格上、ピアニストと指揮者のクロスオーバーは大いに有り得ると思います。逆にピアノが堪能でなかったらスコアの譜読みや指導、コンチェルトのソリストとの打ち合わせは不可能に近いって聞きました。
私もアシュケナージが若い頃のコンサートに行きました、ラフマニノフが忘れられない~~バレンボイムは今でもピアノのリサイタルされますよね?プレヴィンなんかも弾き振りとか今でもバリバり。
指揮者ってリーダー気質の人には本当に魅力的な仕事なんでしょうね。
野球は・・・・どんな名選手でも名監督になれるのはほんの一掴み・・・やはり指導者は難しい
原さんはどうも監督に向いてないような。
Commented by ballade4fmoll at 2008-04-17 04:15
jupiterさん
ピアノが堪能な指揮者といえばバーンスタイン!
以前も書いたのですが(http://ballade.exblog.jp/3757242)なんとラヴェルのピアノコンチェルト弾き振りですよ~!
アシュケナージで今でも忘れられないのがパールマンとのベートーヴェン・ヴァイオリンソナタ全曲演奏です。
もう30年ほど前になりますが日本で聴きました。
パールマンを引き立てながらもアシュケナージらしい音楽作りで本当に素晴らしかった! もう室内楽も聴けませんね、ああ残念。

阪急の上田監督とか広島の古葉監督とか、名将と呼ばれる方々は必ずしも選手時代に活躍したわけではありませんね。
自分が出来るからといって人に教えられるとは限らないし、ましてや大勢の人をまとめて何かをするのは本当に難しいと思います。
原さん・・・東海大相模時代は結構ファンでしたけどね~。

今日(16日)は新スタメンがいい働きをして、下さんまで2安打1打点って、今年のトラはすごすぎます。
名将のおかげ? それともチームリーダーのおかげでしょうか?
Commented by jupiter at 2008-04-19 13:36 x
>原さん・・・東海大相模時代は結構ファンでしたけどね~。

私もです、憧れでしたよぉ
最近はダルとか涌井君とか綺麗な高校球児も多いですが、当時あれほど垢抜けた、さわやかな高校生はめずらしかったですよね。
笑うと歯が真っ白でね!
でもあのヤクルト戦の延長11回に同点のHR・・・バットほり投げがいまだにカッコいいと話題になりますが、私は個人的にあれで原さん嫌いになっちゃったです。
私はHRでも黙々と走る、そう兄貴のような態度が好きなんです。
相手チームや投手への尊敬の気持ち忘れない真摯な姿勢ですもん。
Commented by ballade4fmoll at 2008-04-19 21:39
jupiterさん
そうそう、高校時代の原さんは本当に爽やか青年でした!
私はピッチャーの村中さん(原さんと同級生)も好きでした♪
ヤクルトの村中選手、もしかして息子さんかと思ったのですが、どうも関係ないみたいです。

バットほり投げは私も嫌いです。
新庄君もメジャーでやって、その後ビーンボール受けましたよね。
アニキは派手なパフォーマンスをしなくても内からにじみ出るオーラで人を酔わせますよねえ。
プロの中のプロです。阪神の若手はアニキに学ぶことがたくさんありますね。


ハンガリー人の夫とブダペストで暮らす関西人のひとりごと


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