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ちょっとお出かけ~マルトンヴァーシャール Martonvásár

マルトンヴァーシャールに行ってきました。

どこやねんそれ?

はい、当然のご質問ですね。
ブダペストから南西へ約30km、バラトン湖へ向かう途中にある小さな町です。
土曜日なのに夫は仕事で忙しく、退屈なので一人でふらっと出かけてきました。

ブダペストから各駅停車で約40分です。
(急行はマルトンヴァーシャールに停まらないんですよ・・・)
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マルトンヴァーシャールといえばブルンスヴィック宮殿。今回の目的地です。
ちょっと斜めになってますね~、撮影者の根性が歪んでいるからですね~。(笑)
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宮殿の周りの広大な庭はハンガリー科学アカデミー農業研究所の管轄できれいに手入れされています。
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池には白鳥や鴨など水鳥がたくさんいました。
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池の周りにはベンチがあるのですが、そこに座ると水鳥たちが「餌くれるの?」と寄ってきます。
なんか昆陽池みたい。(超ローカル。わかる人だけわかって下さい)
そうと知ってたら何か餌持って来たのにな~、残念!

マルトンヴァーシャールとかブルンスヴィックとか、一体何やねん?

はい、これも当然のご質問ですね。
実はここはこのお方と非常に御縁のある場所なのです↓
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ジャジャジャジャ~ン
ベートーヴェン様でございます~♪

ベートーヴェンと親交のあったブルンスヴィック伯爵の離宮、それがここマルトンヴァーシャールにあります。
ベートーヴェンも何度かここへ足を運び、特にこの庭を散歩するのが大好きだったとか。
フランツ・フォン・ブルンスヴィック伯爵には「熱情ソナタ」が、そして姉テレーゼには「テレーゼ」(Op.78)が献呈されています。
「熱情」はマルトンヴァーシャール滞在中に作曲されたそうですよ。

ベートーヴェンも弾いたというピアノです↓
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現在使われているピアノに比べると音域が狭いですね、6オクターヴしかありません。
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私は「熱情」も好きですが、「テレーゼ」が大好きなんです。ベートーヴェンのピアノソナタの中でも1番好きかも。
とにかくよく聴くしよく弾く曲です。
この曲を捧げられたテレーゼは、かつてベートーヴェンの不滅の恋人だと言われていました。
「エリーゼのために」も、本当は「テレーゼのために」なのにベートーヴェンの書いた題名が読みにくくて「エリーゼ」と間違われたという説もありました。

でも、どうもベートーヴェンとテレーゼの関係は恋愛というよりも互いを尊敬し合っていた、男女を越えた友情だったようです。
テレーゼはハンガリー初の幼稚園を作った人として知られています。
貴族の娘なのに、自分のことより人のために尽くすことに幸福感を覚えた人だそうです。
庭園にあったテレーゼの像。ハンガリー流にブルンスヴィック・テレーズと表記されています。
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で、実はベートーヴェンはテレーゼの妹のヨゼフィーネと恋愛関係にあったとか、「熱情」も本当はフランツではなくヨゼフィーネに捧げられたものであるとか、ヨゼフィーネはベートーヴェンの子供を身ごもったとか、諸説あるようですが本当のところは誰にもわかりません。
そんなことを考えながら聴くと「熱情」って、特に第3楽章って激し過ぎてじっと座って聴いていられませんね。

*********************

26日(日)からいよいよ冬時間、日本との時差は8時間です。
長い夜はやはり音楽を聴いて過ごすのが一番ですね。
by ballade4fmoll | 2008-10-26 04:27 | ハンガリーあれこれ | Comments(16)
Commented by よし at 2008-10-26 09:04 x
おはようございます
ちょっとした小旅行で由緒ある場所に行けるのはすばらしいですね。
>ブダペストから南西へ約30km、バラトン湖へ向かう途中にある・・
昆陽池(こやいけ)も我が家から南西に30kmです。^^

昨日やっと「君の瞳ドナウに・・・」を借りました。
まだ途中なので全部見たらまたブログにupします。


Commented by bbwan at 2008-10-26 17:06
私も各駅列車の旅好きです。 
うちも週末オットは当てにできません。 ブルートと列車にのってでかけたくなります。
ヴェートーベンはヨーロッパの貴族達に支援されて、あちこち訪れていますね。 そんな旅の軌跡を追った本があって、balladeさんの記事を読み早速調べています。そういうところをたずね歩くのも楽しいですよね。
Commented by ブダのトラッキー at 2008-10-26 22:01 x
昨日、バラトン湖に行ってきたんですよ~!
その途中にこんな素敵な所があるなんて!
音楽にうとい私でもベートーベンはわかります^^;
今度、ぜひ行ってみたいです。

↓スープ美味しそう♪
我家も冷蔵庫にある野菜でスープをよくつくりますが
パプリカは使ったことなかったです。
買ったまま、ほおりっぱなしになってるんで
次に入れてみます♪
まだまだハンガリーの生活に慣れていないので
いろんなお料理、教えてください♪
Commented by 南河内郎女 at 2008-10-26 23:03 x
貴族ってえーよなー。
画家だの、作家だの、音楽家だのパトロンになって
自宅に呼んで自画像やら、自分用に曲なんか書かせて。
アイドル囲い込み放題!
ミーハーやってただけなのに後世に
「この曲は誰々に捧げられ…」などと名が残って。
ショービジネスが発達する前の時代だから
可能だったのでしょうけど、それにしてもずっこいです。
…え、違いますか見るとこが。
Commented by ballade4fmoll at 2008-10-27 03:08
よしさん
宮殿の庭園には古い樹木がたくさんあり、「もしかしたらベートーヴェンもこの木を見たのかも」などと想像するとわくわくします。
偉大な作曲家が決して遠い存在ではなく身近に感じられるのは嬉しいですね。
そうそう、ブラームスはブダペストのオペラハウスで演奏したことがあるそうですよ♪

ハンガリーの昆陽池の白鳥は私がベンチ(池の周りにいくつかある)に座る度にすごい勢いで泳いできて「餌くれ~!」とうるさかったです。
(白鳥のアップの写真はこちらに向かって泳いでくる様子です)
餌を持たずに行ったのでものすごい罪悪感に苛まれました。

映画ご覧になったのですね。そちらのブログにコメントさせていただきました。
Commented by ballade4fmoll at 2008-10-27 03:09
bbwanさん
>旅の軌跡を追った本
それは面白そうですね! 読んでみたいです。

チェコにも作曲家ゆかりの地がたくさんありますね。
モーツァルトもプラハに滞在してドン・ジョヴァンニを演奏したし。
私はショパンが両親と再会したマリアンスケラーズニェに行ってみたいです♪
Commented by ballade4fmoll at 2008-10-27 03:10
ブダのトラッキーさん
バラトン湖の西端ケストヘイにもフェステティッチ宮殿というきれいなお城がありますよ。もういらっしゃいましたか?
マルトンヴァーシャルでは夏に野外コンサートが開かれ、ベートーヴェンの曲が演奏されます。
来年の夏にお出かけになってはいかがでしょうか。

ハンガリー料理ってレストランで食べると味が濃くて脂っこいという印象が強いかもしれませんが、家庭料理は野菜もたくさん食べるんですよ。
これまでにも簡単料理のレシピをいくつか書きましたので(「食べ物」カテゴリーに載っています)ご覧下さいませ。
Commented by ballade4fmoll at 2008-10-27 03:10
南河内郎女さん
ほんまに貴族っていいですよね。
私がもし貴族になったら阪神タイガースのパトロンになって、練習中に
「キャ~、私にもノックさせて~♪」(バットがボールに当たらない)
「球児、バッティングピッチャーになって~♪ うわー、早っ! これが火の玉ストレートかぁ」(球児の集中力が切れる)
「アニキ~、キャッチボールして~♪」(背後に新井ちゃんの恨めしそうな視線)
---と思いっきり邪魔した挙句、「今日のスタメンは私が決める」とメチャクチャなオーダーをし、ベンチに居残って特等席で試合を見たいです。
こんなおっちゃんがどこかにいましたね~。(笑)
Commented by omuroninnnaji at 2008-10-27 08:10
ヨーロッパって、なんか、すごいところですね
自然が、自然そのままって感じですね
Commented by まつとも at 2008-10-27 16:41 x
ひやぁー!かのベートーベンが実際に奏でたピアノを
目の当たりにできるなんて、すごいことですね!
テレーゼさんって、立派な方だったんですね、勉強になりました。
早速、旦那に話してみます。音楽のこと何も知らんね・・・と
言われるので、少しは見直してもらえるやろか・・・(笑)
Commented by ブダのトラッキー at 2008-10-28 00:24 x
ケストヘイですか。初めて聞きました^^;
見どころ いっぱいですね!
こちらにいる間にハンガリーのいいとこ沢山見ておきたいです♪

以前、豆スープも紹介されていましたね。
夫が豆好きなんで、今度挑戦してみます!
Commented by ballade4fmoll at 2008-10-28 02:27
omuroninnnajiさん
この庭園の中には樹齢何百年?という古い木がたくさんありました。
農業研究所の直轄ですからね。
Commented by ballade4fmoll at 2008-10-28 02:31
まつともさん
そうなんです! このピアノをベートーヴェンが弾いたんだと思うと、偉大な作曲家との距離が縮まったような不思議な気分でした。
宮殿内にはベートーヴェンの書いた手紙や楽譜も展示されていましたよ。
ベートーヴェンって音楽室の肖像画(それも睨みつけるような怖い顔)のイメージが強過ぎて近寄り難いイメージがありましたが、恋をしたり悩んだり、普通の人と同じようにいろいろあったんですね。(当然か?)
Commented by ballade4fmoll at 2008-10-28 02:34
ブダのトラッキーさん
ハンガリー国内は見所満載ですよ。
宮殿も各地にあるし、ワインがお好きならワイナリーめぐりも楽しいと思います。

豆スープはこれからの季節に欠かせません。
体の芯まで温まっていいですよ~♪ Jó étvágyat!
Commented by がんもどき at 2008-11-02 22:05 x
 ヨーロッパは、何処も絵になりますなー!
 宮殿だけにかなり敷地面積が広そうで、かなりの?散歩になったことでしょう。
 しかし写真の雰囲気から、とても寒そうな気がします。
 
 ベートーヴェンが弾いたピアノ…今ではもう調律なんか、してないすよね?
 
Commented by ballade4fmoll at 2008-11-02 22:12
がんもどきさん
宮殿の敷地は広くていい運動になりました。
曇っていたので寒そうに見えるかもしれませんが、気温は20℃近くあったんですよ。
でも宮殿と庭だけ、な~んにもありません。
念の為にりんごを持っていってよかったです。餓死せずにすみました。(大げさな!)
日本ならさしずめ「ベートーヴェン饅頭」とか売ってるでしょうにね。(笑)

ピアノは普段は誰も触れないのですが、少し前にラジオで「ベートーヴェンのピアノを使った演奏」が放送されたことがあります。
まだ弾ける状態に保たれているんですね、感動しました。


ハンガリー人の夫とブダペストで暮らす関西人のひとりごと


by ballade4fmoll

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