2011年 01月 31日 ( 1 )

エフゲニー・キーシン@ウィーン楽友協会大ホール

Freitag, 28. January 2011
19:30 - Großer Saal

Artists:
Jewgenij Kissin, Klavier

Program:
Franz Liszt
Étude d´exécution transcendante Nr. 9 As - Dur (Ricordanza)
Sonate für Klavier h - Moll in einem Satz
--------

"Funerailles"
"Vallée d´Obermann" aus: Années de Pèlerinage I
"Venezia e Napoli" aus: Années de Pèlerinage II; zweite Fassung

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いつものようにチケットは売り切れ。
ステージ上の席もぎっしり。満員でした。
私の席は2階正面最前列中央ブロックの右寄り。以前から取ろうと思ってもなかなか取れない憧れの席でした。
手の動きもペダリングもよく見えるし、音がすっと真直ぐに飛んできて体全体が音楽に包まれました。
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インフルエンザでイェルサレムとミラノのリサイタルをキャンセルしたキーシンですが、この日は颯爽と登場しました。

第一曲目は超絶技巧練習曲第9番「回想」。
キーシンの超絶技巧といえば、神童時代は10番や「鬼火」をよく弾いていましたね。
ああいう技巧を前面に押し出す曲で売り出してはいたものの、本当はピアノを朗々と歌わせる曲の方が向いていると思います。
そして今回の「回想」はまさにぴったりの曲。ものすごく楽しみにしていました。

で、演奏は期待を裏切らない、いえ、期待以上の素晴らしいものでした。
なんて優しく切ない音なんでしょう。
特にこの辺とか↓
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演奏が終わってもうっとり夢の世界に浸りきって、誰もすぐには拍手出来ないほどでした。

続いてはピアノソナタロ短調。
この曲はCDもたくさん持っているし、特にハンガリーに住むようになってからは演奏会でもよく聴くおなじみの曲です。
キーシンの演奏はテンポはゆったりして、音量の幅が広く、壮大でした。
例えばこういうところで↓
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最初のffがすでに大音量で大迫力。「ここでこれだけ音出して、この後のfffとsfはどうなるの?」と思ったら、まだまだ出るんですよ、これが!
で、あれだけの音量で決して音が割れないんです。
そしてpppは限りなく繊細で、でもちゃんと会場の隅々まで届く澄んだ音。
長い曲なのにものすごく集中して聴いていたからあっという間、なんだか5分位の曲に感じました。

後半の葬送曲は中間部の左手オクターヴで、英雄ポロネーズの中間部を髣髴とさせる箇所(こういう書き方でわかりますか? 楽譜をスキャンしてないので・・・)が圧巻でした。
周囲の人の息を呑む様子が伝わってきました。
私も気が付いたら息を止めて聴いていたので呼吸困難になりかけ。(おいおい)

巡礼の年は大好きな曲集。
子供の頃はリストといえばやたら派手で目立つことばかり考えていて嫌な奴! と誤解していましたが、この曲集に出会って目から鱗が落ちました。

リストが誤解されやすい理由は、彼の曲を演奏するにあたって求められる技術が高度で、大抵のピアニストは技術面をクリアすることが精一杯。その先にある芸術的な表現力まで身につけている人が少ないからだと思います。
キーシンみたいなテクニックがあれば、リストの求める表現が可能になるわけで、こういう演奏を聴いて初めて聴衆はリストの魅力に気が付くのだと思います。

この日の演奏も決して技術をひけらかすことなく(キーシンはもうそんなことする必要がありませんね)、落ち着いたしっとりした音楽を聴かせてくれました。
ああ、もう、うっとり053.gif
アンコールの多いキーシンだけど、今夜はもうこれで満足です。
最初の「回想」を聴いただけでウィーンに来た甲斐がありました。

・・・と思っていたら盛大な拍手に何度もステージに呼び戻されたキーシンがピアノに向かい、左手でAsとEsの和音を押さえた瞬間「あ、献呈や!」と体が震えました。
キーシンの「献呈」は録音は聴いたことがあるけれど、生で聴くのは初めて。
「一度でいいから生演奏を聴いてみたい」という夢が叶って嬉しかったです。ありがとう、キーシン。

素晴らしい演奏に会場はスタンディングオヴェイション。
それに応えてアンコール2曲目は「ウィーンの夜会」(第6番)。
これはこれまで何度か聴きました。ウィーンのお客さんにはこれ、とでも決めているのでしょうか。
手馴れた演奏で、遊び心もあって、オールリストプログラムの最後に相応しい演奏でした。
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さて、ここからミーハーネタです。
Twitterで知り合ったキーシンファンの方々と「いつか【夜のガスパール】を弾いてもらいたい」という話で盛り上がり、去年ブダペストで直訴しました。(こちら
今回のリストプロを聴いてますます「ガスパール聴きたい病」が進行し、しつこくお願いすることにしました。

ところがですね、ブダペストでは「そのうち弾きます」とおっしゃったのに、ウィーンでは「え?」と「?」いっぱいの顔をされたので、「夜のガスパールです、ギャ・ス・パーーーーール、ド・ラ・ヌゥゥゥウウウ!」と噛み砕くように言ったら

「う~~~~ん、あの曲難しいもん」

と、口をへの字にして言われました。これです↓ (すみません、私の肩が写りこんでます)
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別にそこまで拒絶しなくても・・・。
大体あなたに弾けない曲なんてないでしょう。
お願いだから弾いて下さい、聴かせて下さい、お願い~~~!


もう一つ。
ママはいらっしゃったけどセンセのお姿が見当たりませんでした。
楽屋でもお見かけしませんでした。どうなさったのでしょう。心配です。





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by ballade4fmoll | 2011-01-31 01:14 | 音楽、観劇 | Comments(12)


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